この記事を読むと分かること
- なぜ中国でインターネットを使うのにVPNが必要なのか?
- 中国で使えるVPNサービスを選ぶときのポイントは?
- 中国で使えるおすすめのVPNサービスは?
- 中国で使えるVPNサービスを選ぶときの注意点は?
中国では、政府により特定のWebサイトやコンテンツにアクセスできないような規制がされています。具体的には、InstagramやFacebook、Youtube、Netflixなど世界中で当たり前に利用できるアプリやコンテンツを利用することができません。
さらに、グレイトファイアウォールと呼ばれる中国政府による強固なインターネットトラフィック監視のための仕組みまであり、中国国内からそのようなWebサイトやコンテンツにアクセスすることは絶望的です。
そこで、登場するのがVPNサービスです。VPNを使えば、中国国内からでもグレイトファイアウォールをくぐりぬけ、InstagramやYoutubeといった中国国内で規制されているWebサイトやコンテンツにアクセスすることが可能になります。
この記事では、上記のような疑問に答える形で中国で使えるVPNの選び方のポイントから、おすすめのVPNサービス、導入時の注意点までを紹介しています。
以下は、中国で使えるVPNサービスを選ぶときのポイントを簡単にまとめた内容です。記事全体を読む時間がないという方はここを参考にしてください。
中国で使えるVPNサービス選びのポイント
- VPN接続時に強固な「AES-256-GCM」や「AES-256-SHA」といった暗号化方式が採用されているVPNサービスがおすすめ。
- VPNの接続方式(プロトコル)はOpenConnectが検閲の回避能力が高くおすすめ。
- 通信速度については、動画視聴やゲーム等が目的であれば50Mbps以上あれば快適。
- VPNサービスの価格は、1ヶ月利用であれば1,500円/月、1年以上の利用であれば750円/月程度が平均的。
- 目的の動画サービスが視聴可能かどうか要確認。
- 海外のコンテンツを閲覧したい場合は、目的の国に対応しているか要確認。
なぜ中国でインターネットを使うのにVPNが必要なのか?
中国国内でインターネットを使うのにVPNが必要な理由は、中国政府によるWebコンテンツの規制とグレイトファイアウォールと呼ばれる強固な検閲システムがあるからです。
中国では、政府により特定のWebサイトやコンテンツにアクセスできないような規制がされています。具体的には、InstagramやFacebook、Youtube、Netflixなど世界中で当たり前に利用できるアプリやコンテンツを利用することができません。
一般的に、以下のような中国当局の基準に合わないようなWebサイトやコンテンツはアクセス制限がされています。
中国で規制されているコンテンツの基準
- 中国政府に対して批判的な意見や政治的な議論が含まれるコンテンツ
- 中国の産業に対して競争上の脅威となるようなコンテンツ
- 中国政府が発信する内容を管理できないような国外のコンテンツ
上記のような基準に当てはまるコンテンツはアクセスすることができないように規制されます。Youtubeや多くのSNSにアクセスできないのも納得です。
中国でYoutubeやInstagramなどのコンテンツにアクセスできない仕組み
では、中国ではどのようにして特定のWebサイトやコンテンツに対してのアクセス制限を行っているのでしょうか?
その役割は、グレイトファイアウォールと呼ばれる超大規模なインターネットの監視・検閲システムが担っています。グレイトファイアウォールの正式名称は、「中国の国内ネットワークセキュリティ監視プロジェクト」で、インターネット利用者のトラフィックを徹底的に監視することに重きを置いていますが、監視だけが目的ではありません。グレイトファイアウォールには、適切なコンテンツであるかを判断するフィルターとしての機能も備わっており、特定のウェブサイトやキーワードをフィルタリングしてアクセスをブロックしています。YoutubeやInstagram、Facebookなどのコンテンツもこのフィルターによって選別されブロックされています。
VPNを利用することでグレイトファイアウォールを回避することができる
では、中国国内で規制されているコンテンツにアクセスするためにはどうすればいいのでしょうか?
それを可能にするのがVPNです。簡単なイメージでいうと、VPNを使うことによって、グレイトファイアウォールの中に仮想的なトンネルをつくることができます。そして、そのトンネルの中を通って海外にあるVPNサーバーへ接続します。すると、VPNの利用者は中国国内にいても、そのVPNサーバーが設置されている場所にいるかのようにグレイトファイアウォールの外側で通信をすることができます。
VPN利用者はグレイトファイアウォールの外側で通信ができるので、YoutubeだろうがInstagramだろうが問題なくアクセスすることが可能になります。
中国で使えるおすすめのVPNサービス 5選
MillenVPN
日本トップクラスのVPNサービス
MillenVPNは、日本のアズポケット株式会社が運営しているVPNサービスで、サーバー設置国の多さでは日本でトップクラスの規模のVPNサービスです。また、コストパフォーマンスが高く、1週間の短期利用プランなどがあるのも特徴です。海外のVPSサービスを使うのが不安だという方には特におすすめです。
おすすめのポイント
- 安全で強固な暗号化方式「AES-256-GCM」を採用
- ノーログポリシー有り
- コストパフォーマンスが優秀
- 1週間の短期プラン有
- 多様なデバイス対応
- アプリの使い勝手が良い
- 54ヵ国1,300カ所以上の広範なサーバーネットワーク
- 独自の接続方式で中国での利用可能(2024年12月時点)
- 日本企業で日本語対応がばっちり
サービス名 | Millen VPN |
料金(税込)※ | 7日プラン ¥580/7日 1ヵ月プラン ¥1,580/月 1年プラン ¥660/月 |
通信速度※ | |
対応デバイス | |
サーバー設置国 | 54カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | AES-256-GCM |
ノーログポリシー | |
日本語対応※ | |
カスタマーサポート | |
運営元 | 日本 |
保証 | 30日間の返金保証 |
公式サイト |
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
ExpressVPN
トップクラスの通信速度をもつVPNサービス
ExpressVPNは、イギリス領であるヴァージン諸島(British Virgin Islands)に本社を置くVPSサービスプロバイダで、世界でもトップクラスのVPN通信速度と世界94ヵ国以上に広がる巨大なサーバーネットワークが大きな特徴です。また、ネットワーク規制の強い中国などの国からのアクセスも可能で利用者の多い人気のVPNサービスです。
おすすめのポイント
- トップクラスの通信速度
- 安全で強固な暗号化方式「AES-256-GCM」を採用
- ノーログポリシー有り
- 1年以上の長期利用時のコストパフォーマンスが優秀
- 多様なデバイス対応
- アプリの使い勝手が良い
- 94ヵ国3,000カ所以上の広範なサーバーネットワーク
- 中国での利用可能(2024年12月時点)
- 日本語対応有
サービス名 | ExpressVPN |
料金(税込)※ | 1ヵ月プラン ¥1,813/月 6ヵ月プラン ¥1,398/月 1年プラン ¥934/月 |
通信速度※ | |
対応デバイス | |
サーバー設置国 | 94カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | AES-256-GCM |
ノーログポリシー | |
日本語対応※ | |
カスタマーサポート | |
運営元 | ヴァージン諸島 |
保証 | 3週間の返金保証 |
公式サイト |
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
Surfshark
サポート体制が充実!VPN初心者におすすめ!
Surfsharkは、イギリス領のヴァージン諸島発のVPNで、高速な通信と大規模なサーバーネットワークが特徴のVPSサービスです。また、メール、チャット、お問い合わせフォームなどカスタマーサポートが充実している点も特徴で初めてVPNを使うというVPN初心者の方にもおすすめできるサービスとなっています。ただし、その分他のVPNサービスと比較して短期利用の料金が高めに設定されています。1年以上の利用であれば1ヶ月利用時の4分の1程度の割安価格で利用できるので、申し込みをする時はプランの選択に注意しましょう。
おすすめのポイント
- 高速なVPN通信速度
- 安全で強固な暗号化方式「AES-256-GCM」を採用
- ノーログポリシー有り
- 長期利用時のコストパフォーマンスが優秀
- 多様なデバイス対応
- アプリの使い勝手が良い
- 100ヵ国3,200カ所以上の広範なサーバーネットワーク
- 中国での利用可能(2024年12月時点)
- 日本語対応有
サービス名 | Surfshark |
料金(税込)※ | 1ヵ月プラン ¥2,531/月 1年プラン ¥633/月 2年プラン ¥472/月 |
通信速度※ | |
対応デバイス | |
サーバー設置国 | 100カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | AES-256-GCM |
ノーログポリシー | |
日本語対応※ | |
カスタマーサポート | |
運営元 | ヴァージン諸島 |
保証 | 30日間の返金保証 |
公式サイト |
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
スイカVPN
Androidユーザー向け日本産VPNサービス
スイカVPNは、日本のVPNサービスのひとつです。中国のような規制の厳しい国でも比較的接続しやすく、また他のVPNサービスと比較すると短期で利用するときのコストパフォーマンスが優れているという特徴があります。暗号化方式やログポリシーについては公開していないのでその点だけが注意です。また、モバイルアプリについては、Androidのみの対応となっておりiPhoneアプリはありません。
おすすめのポイント
- コストパフォーマンスが優秀
- 25ヵ国50カ所以上の広範なサーバーネットワーク
- 中国での利用可能(2024年12月時点)
- 日本企業で日本語対応がばっちり
サービス名 | スイカVPN |
料金(税込)※ | 1ヵ月プラン ¥1,097/月 3ヵ月プラン ¥1,048/月 1年プラン ¥938/月 |
通信速度※ | |
対応デバイス | |
サーバー設置国 | 25カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | 言及なし |
ノーログポリシー | 言及なし |
日本語対応※ | |
カスタマーサポート | |
運営元 | 日本 |
保証 | 2週間の無料トライアル |
公式サイト |
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
CyberGhost
大規模なネットワークが特徴のVPNサービス
CyberGhostは、ルーマニアに本拠地を置くVPNサービスプロバイダで、91ヵ国以上に及ぶ大規模サーバーネットワークとWindowsからMac、Android、iPhoneまで様々なデバイス対応が特徴のVPNサービスです。また、長期利用であれば1ヵ月あたり320円と非常に割安で利用できる点も人気の理由です。
おすすめのポイント
- 安全で強固な暗号化方式「AES-256-GCM」を採用
- ノーログポリシー有り
- 長期利用時のコストパフォーマンスが超優秀
- 多様なデバイス対応
- アプリの使い勝手が良い
- 91ヵ国9,500カ所以上の広範なサーバーネットワーク
- 独自サーバーで中国での利用可能(2024年12月時点)
サービス名 | CyberGhost |
料金(税込)※ | 1ヵ月プラン ¥1,790/月 6ヵ月プラン ¥1,000/月 2年プラン ¥320/月 |
通信速度※ | |
対応デバイス | |
サーバー設置国 | 91カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | AES-256-GCM |
ノーログポリシー | |
日本語対応※ | |
カスタマーサポート | |
運営元 | ルーマニア |
保証 | 45日間の返金保証 |
公式サイト |
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
中国で使えるVPNサービスを選ぶときのポイント
中国で使えるVPNサービスを選ぶときのポイントは以下の5つです。
VPN選びのポイント
- VPNの暗号化方式
- VPNの接続方式(プロトコル)
- VPN通信の速度
- VPNサービスの価格
- 対応している国・地域
ひとつずつみていきましょう。
VPNの暗号化方式
VPN接続は、「暗号化」と「プロトコル(接続方式)」という2つの技術によって成り立っています。VPN接続では、まずデータが暗号化され、その後、選択したプロトコル(接続方式)に従って、トンネルの中を安全にデータが通っていくというようなイメージです。
では、実際にどのような暗号化方式を採用しているVPNが良いのでしょうか?
具体的には、VPN通信では「AES-256-GCM」や「AES-256-GCM」と呼ばれる暗号化方式が良く用いられており、どちらも非常に強力な暗号化方式です。VPNサービスを選ぶ際は実際にこのような暗号化方式が採用されているかどうかという点をしっかりと確認するようにしましょう。
AES-256-SHAとは?
AESとは、高度暗号化標準(Advanced Encryption Standard)の略で、アメリカ政府が政府内ネットワークの暗号化の標準規格として策定した暗号化規格のことです。AES-256は、256ビットの鍵長を持つAESの中でも最も強力な規格であり、非常に安全性が高い暗号化規格とされています。
GCMとは、ガロア カウンター モード(Galois/Counter Mode)の略で、暗号化と認証を組み合わせた認証つき暗号モード (AEAD) のひとつで、通信に対して認証機能を提供することができます。
SHAとは、Secure Hash Algorithmの略で、ハッシュ関数のひとつです。ハッシュ関数とは暗号化で利用される数学的アルゴリズムのことです。
AES-256-GCM・AES-256-SHAは、VPNでよく採用されている暗号化方式で、他にも金融機関のオンライン取引や政府間の通信、個人情報データベースの保護など、高いセキュリティが求めれる様々な場面で採用されています。
VPNの接続方式(プロトコル)
VPNプロトコルとは、どのような形式のデータをどのような手順で送信するのかといったルールセットのことです。VPN接続では、このルールに従ってデータが送られることになります。
このVPNプロトコルにはいくつか種類があり、セキュリティを重視するプロトコルや通信速度を重視するプロトコル、モバイルデバイスに最適化されたプロトコルなどが存在します。
主要なVPNプロトコルには以下のようなものがあります。
VPN選びのポイント
- OpenConnect:セキュリティレベルが高く検閲回避能力の高いオープンソースのプロトコル。
- OpenVPN:多くのVPNサービスプロバイダが採用している、柔軟で高セキュリティなオープンソースのVPNプロトコル。
- L2TP / IPsec:スマートフォンなどのモバイルデバイスでよく利用されるVPNプロトコル。OpenVPNよりもセキュリティレベルは低い。
- IKEv2:高速な接続・再接続が可能で、高セキュリティと接続の安定性が特徴のVPNプロトコル。移動中の利用に強く、モバイルデバイス、ノートパソコンで利用されることが多い。
- WireGuard:最新のオープンソースのVPNプロトコル。セキュリティレベルが高く、接続も高速に行えるが、まだ新しいため対応していないプラットフォームもある。
- PPTP:古い世代のVPNプロトコルで古い世代のプラットフォームにも対応している。セキュリティレベルについては他のプロトコル程高くない。
- SSTP:マイクロソフトによって開発された主にWindows OS向けのVPNプロトコル。SSL/TLSに基づいているため高セキュリティが特徴です。
この中で中国国内で利用するにあたっておすすめなのは、OpenConnectと呼ばれるプロトコルです。検閲回避能力が高いことが知られており、中国での利用を目的としたVPNサービスでも採用されることの多いプロトコルです。
VPNサービスの通信速度
中国などの海外からVPNサービスを利用する際の目的として、SNSを更新したいや動画配信サービスを閲覧したいということが目的の方は多いと思います。SNS更新やインターネットブラウズ程度あればそこまで高速な通信速度いりませんが、動画などを視聴したいという場合はある程度の通信速度が必要です。
当サイトでは、具体的に以下のような通信速度を推奨しています。カッコ内の数字が当サイトで推奨している数値になります。
0.5Mbps(10Mbps):最低限必要なブロードバンド回線速度
1.5Mbps(25Mbps): 推奨ブロードバンド速度(快適にインターネットが利用できる値)
5Mbps (30Mbps) : HD画質動画
25Mbps(50Mbps) : 4K画質動画/オンラインゲーム
以下は、主要なVPSサービスの通信速度の一覧です。
※1. 通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。N=103。
※2. 計測環境については、計測アプリはによって測定値が大きく異なるため「SpeedSmart」を利用した計測値としています。
※3. なお、「SpeedSmart」を利用したVPNを使用しない状態での計測値(一般的な家庭用Wifi)は、7:00/12:00/17:00/24:00の4回計測の平均値で122.7Mbpsです。
日本⇒日本 | 韓国⇒日本 | |
109.4Mbps | 88.9Mbps | |
107.3Mbps | 85.1Mbps | |
103.5Mbps | 82.3Mbps | |
101.5Mbps | 81.4Mbps | |
99.3Mbps | 78.7Mbps | |
102.3Mbps | 74.4Mbps | |
89.3Mbps | 68.4Mbps | |
79.1Mbps | 65.4Mbps | |
65.1Mbps | 39.3Mbps | |
63.3Mbps | 32.4Mbps |
VPNサービスの価格
以下は主要なVPNサービスの価格の一覧です。
1ヵ月プラン(月額) | 1年プラン(月額) | |
¥990 | ¥779 | |
¥1,097 | ¥938 | |
¥1,533 | ¥524 | |
¥1,573 | ¥535 | |
¥1,100 | ¥1,100 | |
¥1,580 | ¥660 | |
¥1,890 | ¥810 | |
¥1,813 | ¥934 | |
¥1,790 | ¥1,000 | |
¥2,531 | ¥633 |
※1. $表記の価格については1$=140円で算出しています。
※2. 表の並びについては1カ月プランと1年プランの価格の平均が安い順に上から並んでいます。
表を見ていただくと、標準的な料金が安いVPNサービス、長期利用だとかなりお得に利用できるプランがあるVPNサービスなど各社料金設定に特徴があります。また、上記に掲載している以外にも7日間程度の超短期利用専用のプランなどがあるVPNサービスもあります。
目安としては、1ヶ月利用であれば1,500円/月、1年以上の利用であれば750円/月程度が平均的です。
対応している国・地域
中国国内からどの国のネットワークにアクセスできるかというのは、契約するVPNサービスプロバイダがどこの国にVPNサーバーを設置しているかどうかで決まります。
大手のVPNサービスプロバイダであれば、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの主要な国はもちろん、何十カ国にもVPNサーバーを設置しており、様々な国のネットワークにアクセスすることができます。
各VPNサービスのレビュー記事内でVPNサーバー設置国を掲載しているので契約前にしっかり確認するようにしましょう。
中国で使えるVPNサービスを選ぶときの注意点
中国で使えるVPSサービスを選ぶ際の注意点は、昨日まで当たり前に使えていたVPNサービスが今日になると急に使えなくなっていることがあるという点です。
この問題についてはVPNサービス全体にいえるどうしようもないことで、各VPNサービスプロバイダは中国の検閲と追いかけっこしているような状況となっているのが現状です。
そのため中国のような規制の厳しい国でVPN接続を利用する場合に、最もおすすめなのは評価の高いVPNサービスを複数契約したうえで、メインで使うところと保険としてサブで使うところを使い分けるというような方法がおすすめです。
この記事で紹介したVPNサービス一覧
この記事で紹介しているVPNサービスの一覧です。
サービス名 | |||||
料金(税込)※ | 7日プラン ¥580/7日 1ヵ月プラン ¥1,580/月 1年プラン ¥660/月 | 1ヵ月プラン ¥1,813/月 6ヵ月プラン ¥1,398/月 1年プラン ¥934/月 | 1ヵ月プラン ¥2,531/月 1年プラン ¥633/月 2年プラン ¥472/月 | 1ヵ月プラン ¥1,097/月 3ヵ月プラン ¥1,048/月 1年プラン ¥938/月 | 1ヵ月プラン ¥1,790/月 6ヵ月プラン ¥1,000/月 2年プラン ¥320/月 |
通信速度※ | |||||
主要なデバイス | |||||
サーバー設置国 | 54カ国 >>詳細 | 94カ国 >>詳細 | 100カ国 >>詳細 | 25カ国 >>詳細 | 91カ国 >>詳細 |
暗号化方式 | AES-256-GCM | AES-256-GCM | AES-256-GCM | 言及なし | AES-256-GCM |
ノーログポリシー | 言及なし | ||||
日本語対応※ | |||||
カスタマーサポート | |||||
運営元 | 日本 | ヴァージン諸島 | ヴァージン諸島 | 日本 | ルーマニア |
保証 | 30日間の返金保証 | 3週間の返金保証 | 30日間の返金保証 | 2週間の無料トライアル | 45日間の返金保証 |
公式サイト |
まとめ
この記事では、中国で使えるおすすめのVPNサービスについて、選び方から注意点、おすすめVPNサービスまでを紹介してきました。
海外の中でも特に中国のようなインターネット規制が非常に厳しい国に行く場合は、VPNは必須のサービスです。VPNなしで中国に行くと日本にいたときに当たり前に利用していたアプリやコンテンツのほとんどが使用できません。
しかも、中国国内で問題に気づいてからVPNを契約するのはかなり困難です。そのため、中国に行く場合はあらかじめ複数のVPNサービスを契約・設定しておくことがおすすめです。
Q&A
通信速度の目安を教えてください。
以下は、各用途に応じた通信速度の目安です。実際は、計測環境や計測に用いるアプリによって数字が大きく変わることがあるので参考程度に確認してください。また()内は、計測アプリに使う場合の当サイトの推奨値です。
0.5Mbps(10Mbps):最低限必要なブロードバンド回線速度
1.5Mbps(25Mbps): 推奨ブロードバンド速度(快適にインターネットが利用できる値)
5Mbps (30Mbps) : HD画質動画
25Mbps(50Mbps) : 4K画質動画
14アイズとは?
14アイズとは、国際的なテロリズムや犯罪の取り締まりを目的とした国家同士の情報共有協定のことです。一方で、14アイズ加盟国に属する企業は政府から要請があればオンラインのトラフィックなどのログ情報を提出する義務があります。そのため、プライバシーや個人の権利の保護の面からみて問題にされることも多々あります。
具体的には以下の国が加盟しています。
アメリカ | デンマーク |
カナダ | オランダ |
イギリス | フランス |
オーストラリア | ベルギー |
ニュージーランド | ドイツ |
ノルウェー | スウェーデン |
イタリア | スペイン |
VPNを利用するときのリスクやデメリットについて教えてください。
VPNを利用するときのリスクやデメリットには、VPNサービスプロバイダーの信頼性の問題、通信速度の低下、一部のウェブサイトでのアクセス制限などがあります。
VPNを選ぶ際のポイントを教えてください。
VPNを選ぶときのポイントには、セキュリティプロトコルの種類、通信速度、VPNサーバーの位置、各デバイスへの対応などがあげられます。
VPNのプロトコルについて教えてください。また、それぞれの違いは何ですか?
VPNプロトコルとは、通信の際にデータがどのように送られるのかを定めた規格のことで、主要なVPNプロトコルには以下のようなものがあります。
OpenVPN:多くのVPNサービスプロバイダが採用している、柔軟で高セキュリティなオープンソースのVPNプロトコル。
L2TP / IPsec:スマートフォンなどのモバイルデバイスでよく利用されるVPNプロトコル。OpenVPNよりもセキュリティレベルは低い。
IKEv2:高速な接続・再接続が可能で、高セキュリティと接続の安定性が特徴のVPNプロトコル。移動中の利用に強く、モバイルデバイス、ノートパソコンで利用されることが多い。
WireGuard:最新のオープンソースのVPNプロトコル。セキュリティレベルが高く、接続も高速に行えるが、まだ新しいため対応していないプラットフォームもある。
PPTP:古い世代のVPNプロトコルで古い世代のプラットフォームにも対応している。セキュリティレベルについては他のプロトコル程高くない。
SSTP:マイクロソフトによって開発された主にWindows OS向けのVPNプロトコル。SSL/TLSに基づいているため高セキュリティが特徴です。
VPN接続を利用するときの設定方法について教えてください
VPNの設定方法は使用するVPNサービスによって様々ですが、一般的にはいかのような手順で設定ができます。
VPNクライアントソフトウェアのデバイスへのインストール⇒アカウント情報の入力⇒接続先VPNサーバーの選択
VPN接続を利用してアクセス制限のある海外のWebサイト等にアクセスする方法を教えてください。
VPN接続を利用して、アクセス制限のある海外のWebサイト等にアクセスするには、利用者がアクセスしたいWebサイトを運営している国に位置するVPNサーバーを選択して接続することで、あたかもその地域からアクセスしているように振る舞うことができます。
VPNを使うと利用者(クライアントデバイス)のIPアドレスはどうなりますか?
VPNを使うと、利用者(クライアントデバイス)のIPアドレスは変わります。VPNを有効にすると、通信が暗号化されてVPNサーバーを経由するようになります。そのため、インターネット上でのデバイスの公開IPアドレスは、「VPNサーバーのIPアドレス」に置き換わります。
上記のような仕組みにより、VPNを利用すると利用者(クライアントデバイス)のIPアドレスが隠され、VPNサーバーのIPアドレスが公開されるためプライバシーの強化とセキュリティの向上につながります。
VPNを使うと通信速度に影響がありますか?
VPNを使用すると暗号化やリダイレクトなどの処理により、通信速度が一時的に低下することがあります。
※当サイトでのVPNサービスのスコアリングの基準
当サイトでは、以下のような基準に基づいて各要素をスコアリングして比較しています。
通信速度のスコアリングにつて
通信速度の計測については、海外在住者にCrowdWorksを利用したアンケート調査を行っています。海外からのアクセスと日本国内でのアクセスの平均値で算出しています。具体的には、当サイトで紹介しているVPNサーバー10社の相対比較で上位1位を10点、2位~3位を9点、4~5位8点、6~7位を7点、8~9位を6点、10位を5点でスコアリングしています。
安全性のスコアリングについて
暗号化方式及びログの保持をもとにスコアリングしています。暗号化方式については、AES-256を採用しているVPNサービスについては4点、暗号化方式が不明瞭なものついては2点としています。ログの保持については、ノーログポリシーを採用しているVPNサービスについては4点、採用していなものは2点としています。また、運営国が日本のサービスについては+1点としています。
対応デバイスのスコアリングについて
対応デバイスについては、以下のようにデバイスごとに点数を割り振り、その合計値でスコアリングしています。
2点:Windows(PC)
2点:Mac OS(PC)
2点:iOS(iPhone・iPad)
2点:Android(アンドロイド・タブレット)
1点:Linux(PC)
1点:Android TV/Fire TV)
価格のスコアリングについて
1ヵ月プランと1年プランの平均価格から算出しています。具体的には、当サイトで紹介しているVPNサーバー10社の相対比較で価格が安い順に上位1位を10点、2位~3位を9点、4~5位8点、6~7位を7点、8~9位を6点、10位を5点でスコアリングしています。
対応地域のスコアリングについて
日本へアクセスできる地域の多さを5点、日本からアクセスできる地域の多さを5点として、その合計値で算出しています。日本へアクセスできる地域のスコアの内訳については簡易的に以下の国からアクセス可能であることに対して点数を振り分けています。
1点:アメリカからアクセス可能
1点:中国からアクセス可能
1点:ロシアからアクセス可能
1点:イギリスからアクセス可能
1点:タイからアクセス可能
また、日本からアクセスできる地域の多さについては、サーバ設置国数が多い順に1位から5点、2位~3位を4.5点、4~5位を4点、6~7位を3.5点、8~9位を3点、10位を2.5点でスコアリングしてます。
機能性のスコアリングについて
アプリの使いやすさ、トレントやキルスイッチの有無をもとにそれぞれ5点、3点、2点の合計点でスコアリングしています。また、アプリの使いやすさについては、Apple storeの評価を準用しており、評価がまだないサービスについては便宜上2.5点としています。