ASUS ProArtシリーズは、ASUSがクリエイター向けに展開しているハイエンド・ワークステーションブランドです。従来からのProArt Studiobook系と並び、現在は用途に合わせて選びやすい「ProArt P16」や「ProArt PX13」、モバイルAIに強い「ProArt PZ13(Copilot+ PCクラス)」といった新しいファミリーが主力として展開されています。
動画編集・写真現像・3DCG・CAD/BIM・生成AIの活用といった“今の制作現場”では、CPU/GPUのピーク性能だけでなく、AI処理を担うNPUや色再現性に優れたディスプレイが重要です。さらに、現場で効く端子構成や持ち運び性能まで含めた総合力が求められます。本記事では、販売終了モデルの単品紹介ではなく、現行ProArtシリーズの位置づけと、用途別の選び方を分かりやすく整理します。
この記事を読むと分かること
- 最新ASUS ProArtシリーズ(P16 / PX13 / PZ13 / Studiobook Pro)の立ち位置・選び方
- 「Copilot+ PCクラス」の強み(NPU)と、GPU選びの考え方
- 用途別(動画編集/3DCG/CAD/AI)に最適なProArtの選び方
ProArtは「高性能ノート」の枠を超えて、制作ワークフローそのものを効率化するための道具として進化しています。買い替えを検討している方は、まずシリーズ全体の位置づけを把握してから、用途に合うモデルを選ぶのがおすすめです。
ASUS ProArtシリーズの現行4機種(位置づけ早見表)
目安として、現行ProArtノートは次の4ポジションに分けて考えると選びやすくなります。Studiobook Proは業務用ワークステーションの「安定性・認証重視」枠、P16/PX13/PZ13は「モビリティとAI処理」を重視した新世代の主力です。
| 機種 | 位置づけ | おすすめの用途 |
| ProArt P16 (H7606) | 16型の主力。制作を全部こなす万能型(Copilot+ PCクラス) | 動画編集/生成AI/3DCG/写真現像 |
| ProArt PX13 (HN7306) | 13.3型の高性能2-in-1モバイル(Copilot+ PCクラス) | 出先の編集/撮影現場/持ち運び重視 |
| ProArt PZ13 (HT5306) | 13.3型着脱式2-in-1。省電力×AIモバイル(Copilot+ PCクラス) | AIアシスト活用/バッテリー重視/補助機 |
| ProArt Studiobook Pro 16 OLED (W7604) | 業務特化のワークステーション(RTX Ada搭載) | CAD/BIM/ISV認証が必要な業務/安定性最優先 |
ASUS ProArtシリーズってどんなパソコン?(スペック・価格)

クリエイター最上位(RTX 50世代)
製品の特徴
- GPU:RTX 5090/5080/5070 Ti Laptop GPU(構成選択可)
- CPU:AMD Ryzen AI Max 395 / メモリ最大64GB
- 16型 OLED 3K 120Hz(PANTONE認定 / DCI-P3 100%)
- Copilot+ PC対応 / NovaliQ冷却システム搭載
実売価格目安:389,800円〜(GPU構成により変動)
現行ProArtの考え方はシンプルで、「P16=16型の万能主力」「PX13=小型でも高性能」「PZ13=省電力AIモバイル」「Studiobook Pro=業務特化」という役割分担になっています。制作の主戦場がどこか(自宅/スタジオ/出先/現場)で、最適なモデルが変わります。
スペック例:ProArt P16(現行主力モデル)
迷ったらまず候補になるのが、16型のProArt P16です。最新のRyzen™ AI 9 HX 370を搭載し、画面サイズ・性能・拡張性のバランスがよく、動画編集から生成AI、3DCGまで幅広く対応できます。
| スペック例(構成例) | |
| 商品名 | ASUS ProArt P16 (H7606) |
| 参考価格(税込み) | ¥289,800〜(構成により変動) |
| OS | Windows 11 Home / Pro(構成による) |
| CPU | AMD Ryzen™ AI 9 HX 370(12コア/24スレッド) |
| NPU性能 | 最大 50 TOPS(AI処理専用回路) |
| グラフィックス | 最大 NVIDIA™ GeForce RTX™ Laptop GPU(構成による) |
| メモリー | 32GB 〜 64GB(LPDDR5X、構成による) |
| システムストレージ | 1TB 〜 2TB(NVMe、構成による) |
| ディスプレイ | 16.0型 OLED(例:4K OLED / 2.8K OLED など、構成による) |
| 質量 | 約1.85kg前後(構成による) |
ASUS ProArt 性能の確認と比較
AI(NPU)とCPU性能の考え方
2026年のクリエイティブPC選びで重要なのが、CPUだけでなくNPU(AI専用プロセッサ)をどう活用できるかです。背景の自動切り抜き、ノイズ除去、音声分離、素材の自動タグ付けなど、制作に付随する“面倒な処理”をNPUが肩代わりすることで、メインCPUやGPUの負荷を減らし、PC全体の安定性と速度を底上げします。
※1. TOPS(Tera Operations Per Second)は1秒あたりの演算回数で、数値が高いほどAI処理に長けています。
※2. NPU性能を活かすには、対応アプリ側の設定や機能対応状況によって体感が変わります。
| 現行プロセッサ | AI処理能力(NPU) | おすすめの用途 |
| Ryzen™ AI 9 HX 370(P16 / PX13) | 最大 50 TOPS | AI4KVDDS |
| Snapdragon® X Plus(PZ13) | 45 TOPS | AIOFDS |
| Core i9-13980HX(Studiobook Pro) | (NPUは構成・世代による) | 3DCaVD |
P16/PX13は「AI処理をNPUに任せつつ、必要なら外部GPU(GeForce)で重い作業を押し切れる」贅沢な構成です。一方でPZ13は、外部GPUを積まずに省電力を重視。編集そのものよりもAI支援を活かした素材整理やプレゼン、軽い制作に向いたキャラクターになります。Studiobook Proは、業務用途の要件(安定性・認証・互換性)を優先した「プロの道具」として選べます。
グラフィック性能(GPU)の考え方
GPU選びの基本は、「どこまで重いレンダリングや、高度な生成AIをローカルでやるか」です。ProArtでは大きく、GeForce RTX搭載(P16/PX13)、NVIDIA RTX Ada搭載(Studiobook Pro)、そしてCPU内蔵GPU(PZ13)に分かれます。
| GPUタイプ | 方向性 | 特徴 |
| GeForce RTX Laptop GPU(P16 / PX13) | 汎用ハイパフォーマンス | 動画編集・生成AI・3DCGまで万能 |
| NVIDIA RTX 3000 Ada Laptop GPU(Studiobook Pro) | 業務特化・安定性重視 | CAD/BIMなど産業用途の信頼性を優先 |
| Adreno(PZ13:CPU内蔵) | 省電力・モバイル優先 | ウェブ、事務、AI支援、軽量動画 |
制作現場なら「NVIDIA Studioドライバ」での運用が基本です。主要ソフトとの相性を検証済みのドライバを適用することで、不意のクラッシュを防ぎ、作業効率を最大化できます。P16/PX13はこの運用を前提に「主力制作機」としてのバランスが取りやすいモデルです。
用途別推奨スペック(目安)
- 4K動画編集・高度なエフェクト:GeForce RTX搭載(P16/PX13)+メモリ32GB以上
- 生成AI(画像・動画生成)をローカルで:上位GPU構成 + メモリ64GB構成を強く推奨
- CAD/BIMなど業務設計:Studiobook Pro(RTX Ada)を優先検討
- フォトグラファー・DTP:PX13(機動力)または P16(画面サイズ)で選ぶ
メモリ・ストレージ(快適さに直結)
制作用途では、CPU以上にメモリ不足が最大のボトルネックになります。複数アプリを立ち上げたまま作業するのが当たり前の現代では、32GBをひとつの基準にし、生成AIや3DCGを本格運用するなら64GBも視野に入れましょう。
| 容量の目安 | 向いている用途 |
| 16GB | ライトな編集・AI支援中心(PZ13等) |
| 32GB | 動画編集・レイヤーの多いデザイン |
| 64GB以上 | 生成AI・3DCGレンダリング・業務設計 |
ストレージは高速NVMe SSDが基本です。4K/8K素材を扱うなら、外部接続の高速SSD(USB4等)を併用すると管理がスムーズです。
ディスプレイ(色再現性が命)
ProArtシリーズの武器は、制作向けに最適化された有機ELディスプレイです。高コントラスト(漆黒の表現)と色精度の高さにより、カラーグレーディングや写真現像において“信頼できる色”を出しやすくなります。解像度はモデル・構成により異なりますが、P16は16型、PX13/PZ13は13.3型で、用途に合わせて選びやすいのも魅力です。
- 映像美
- 5
- 応答速度
- 5
- コントラスト
- 5
- 視野角
- 5
- 色精度
- 5
持ち運び性能(バッテリー・重量)
「高性能ワークステーション=重くて動かせない」という常識は、現行ProArtで大きく変わりました。P16は16型でも持ち運びを意識した重量に収まり、PX13やPZ13は移動が多い人の相棒として扱いやすいモデルです。
| ProArt PZ13 | タブレット約850g(構成により増加) |
| ProArt PX13 | 約1.3kg台(構成による) |
| ProArt P16 | 約1.8kg台(構成による) |
「スタジオを持ち運ぶ」というコンセプトを、現実的に選べる形にしたのが今のProArtです。
接続規格の確認(端子は“現場力”)

制作PCにおいて端子は生命線です。ProArtは、ドックなしでも現場で完結できる端子構成を意識しており、USB4の高速転送・映像出力・給電に対応したモデルもあります。端子構成は機種により異なるため、購入前に「必要な接続」が満たせるかだけは必ず確認しておきましょう。
- USB4(Type-C):高速転送・映像出力・給電に対応(モデルによる)
- USB Type-A:周辺機器との互換性が高い(モデルによる)
- HDMI:外部モニター出力に便利(モデルによる)
- SDカードスロット:撮影素材の取り込みに便利(例:SDXC/SDHC/SD対応のモデルあり)
撮影素材の取り込みが多い人は、SDカードスロットの有無と種類(SD/microSD、付属アダプターなど)をチェックしておくと失敗しにくいです。
BTOカスタマイズについて
ProArtはBTOの自由度というよりも、「用途に合わせたパッケージ」を選ぶスタイルです。ASUS公式ストア等では構成の異なる複数バリエーションが用意されることがあります。まずは「画面サイズ(13型か16型か)」を決め、次に「外部GPU(GeForceが必要か)」、最後に「メモリ容量(32GB以上か)」の順で絞り込むと、自分に合う構成が見つかりやすくなります。
ゲーム性能について
ProArtはゲーム専用機ではありませんが、P16/PX13の外部GPU搭載構成はハイエンドなゲーミングPC級の余力があります。ここで大事なのは“ゲームが目的”というより、重い制作を走らせても余力が残る=制作が安定しやすいという点です。
ASUS ProArtのゲーム適正
- 高性能GPU構成なら、制作だけでなくゲームも高画質で楽しめる余裕がある
制作のために確保したリソースを活かして、休憩時間に高画質でゲームを楽しむ。そんな使い方ができるのもProArtの魅力です。ディスプレイの駆動方式(リフレッシュレート等)はモデル・構成で異なるため、ゲームも重視する場合は購入前に仕様を確認しましょう。
ASUS ProArtシリーズ 口コミ・評判
最新のProArtシリーズでは、「持ち運べるのに制作が重い場面でも破綻しにくい」「ダイヤルや独自ソフトで作業が気持ちよく進む」といった声が目立ちます。一方で「高負荷時はファン音が出る」といった指摘もありますが、これは高性能機の宿命でもあり、制作能力とのトレードオフとして納得して選ぶユーザーが多い印象です。
Twitter(X)での最新の反応はこちらから確認できます。
まとめ
ASUS ProArtシリーズは、2026年時点で「AI処理能力(NPU)」と「制作に耐えるGPU/放熱設計」、そして「機動力」を両立し、“総合クリエイティブ・パートナー”として選べるブランドになりました。販売終了モデルの単品スペックを追うのではなく、今の制作スタイルに合ったシリーズを選ぶのが、失敗しないPC選びの近道です。
最新ProArtはこんな方におすすめ
- ProArt P16:動画・3DCG・生成AI。メイン機1台でやりきりたい方
- ProArt PX13:ロケ先や移動が多い。小型でも本格編集をしたい機動力重視の方
- ProArt PZ13:究極の軽さとAIアシストで、移動中の作業や補助機を強化したい方
- Studiobook Pro:CAD/BIMなど、業務上の信頼性や要件適合が最優先のプロ
用途・目的別のおすすめノートパソコン(PC)の紹介
用途や目的にあったおすすめのノートパソコンや選び方のポイントを知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。












Q&A
ASUS Dial(アサス ダイヤル)で何ができる?
モデルにより搭載方式は異なりますが、制作作業をショートカットするためのコントローラーです。Premiere Proのタイムライン操作、Photoshopのブラシサイズ変更などを直感的に行えるようになり、慣れるとマウス移動が減って作業が速くなります。
Copilot+ PCとは?
WindowsのAI機能を活用するために、一定以上のNPU性能などを満たすPCの呼称です。要件や対応機能は更新される可能性があるため、本記事では「Copilot+ PCクラス(要件を満たす・満たしやすい構成)」として捉え、NPUによる制作補助が効くモデルとして紹介しています。
なぜProArtは有機EL(OLED)なの?
クリエイターにとって「正しい色」が見えることは死活問題だからです。OLEDはコントラストが非常に高く、暗部(シャドウ)の階調を表現しやすいため、写真や動画の仕上げ工程で“判断がぶれにくい”メリットがあります。
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