- HomeとProの判断が実質1点で決まる理由(BitLocker)
- 「HomeでもBitLockerは読める」の正確な意味
- Pro化にいくらかかるか——主要メーカーの実勢比較
ノートPCを買うとき、Windows 11 の Home と Pro のどちらを選ぶか。迷う人は多いですが、判断基準は思いのほかシンプルです。
結論:外付けHDDやUSBメモリを暗号化して使いたい人はPro一択。それ以外の人は、たいていHomeで足ります。
この記事では、その根拠をMicrosoft公式ドキュメントで確認したうえで、Pro化の実勢費用(主要メーカー・2026年7月時点)と、見落としやすい落とし穴を整理します。
結論:判断はほぼ1点で決まる
- 外付けドライブを暗号化するか(BitLocker To Go) → するならPro必須
- しないなら → Homeで足りることが多い(Pro固有機能は後述の4つだけ確認)
BitLockerはHomeで有効化できない【MS公式】
Microsoft Learn(BitLocker公式ドキュメント)のエディション要件表には、BitLocker有効化に対応するエディションとして Pro/Enterprise/Pro Education/SE/Education が挙げられており、Homeは表に載っていません=有効化できません。
誤解されやすい「できる・できない」の正確な区別
| できること | Home | Pro |
|---|---|---|
| 既に暗号化済みのドライブを解錠して開く | ✅ | ✅ |
| 新しいドライブをBitLockerで暗号化する | ❌ | ✅ |
| 「デバイスの暗号化」(OSドライブ・内蔵固定ドライブ) | ✅(対応機のみ) | ✅ |
| 外付けHDD・USBメモリの暗号化(BitLocker To Go) | ❌ | ✅ |
「HomeでもBitLockerは使える」と言われることがあるのは、上の1行目(解錠して開く)が可能だからです。Microsoft公式FAQも、暗号化済みのデータドライブは別のコンピュータでパスワード等により開けると記載しており、そこにエディションの限定はありません。しかし新たに暗号化する側はHomeではできません。
また、Homeで使える「デバイスの暗号化」について、Microsoftは対象がOSドライブと固定ドライブのみで、外部/USBドライブは暗号化されないことを公式に明記しています。
つまり:業務データを外付けHDDに置く・持ち出しUSBを暗号化する——という運用をする人がHomeを選ぶと、ドライブを買い足すたびに暗号化できない問題に直面します。この運用が少しでも視野にあるなら、最初からProを選んでください。
Pro化にいくらかかるか【2026年7月時点の実勢】
主要メーカーのBTO・直販でHome→Proに変更した場合の追加費用です(2026年7月17日時点・筆者が各社の構成画面/直販ページで実際に確認した値)。
| 経路 | Pro化の費用 |
|---|---|
| ドスパラ(一部モデル) | Pro標準で±0円(Homeを選ぶと−9,000円の減額になる機種あり) |
| 富士通(直販CTO) | +7,700円 |
| Dell | +7,920〜8,800円 |
| mouse | +8,800円 |
| FRONTIER | +8,800円 |
| パソコン工房 | +10,000円 |
| Lenovo(CTO) | +11,000円 |
| 後からMicrosoft Storeでフルライセンス購入 | 28,380円 |
買うときにBTOでProを選べば1万円前後。後からMicrosoft Storeで買うと28,380円。Proが必要になる可能性があるなら、最初に選ぶ方がはっきり安い構図です。
※価格は2026年7月17日時点の実勢で、機種・時期により変わります。購入時に各社の構成画面でご確認ください。なお、Home→Proのアップグレード単体価格はMicrosoft公式サイトに掲載がなく、ネット上に出回る安い金額は一次情報で確認できないため本記事では扱いません。
落とし穴:Pro化オプションが存在しない機種がある
2点、実際に確認した落とし穴があります。
- 全構成Home固定でPro化オプション自体が無いシリーズがあります(ゲーミング系ブランドの一部など)。この場合、Proにするには後からMicrosoft Storeでフルライセンス(28,380円)を買うしかありません。「あとでPro化すればいい」が最初から成立しない機種がある、ということです。
- 同一機種名でHomeとProが別SKU(別商品)になっていることがあります。実例として、あるBTOメーカーの14型ノートは、安い方の商品ページ(Home搭載)には構成画面にProオプションが無く、Pro搭載版は通販限定の別商品として売られていました。しかも両商品の価格差は日によって大きく変動することも確認しています。機種名だけで「Proにできる」と判断せず、買おうとしているその商品ページの構成画面と価格を確認してください。
Pro固有機能で、実際に使う可能性があるもの
BitLocker以外のPro固有機能で、個人・小規模事業の実用に関わるのは主にこの3つです。
- リモートデスクトップのホスト側:外からこのPCに接続される側になるにはProが必要です(接続しにいく側はHomeでも可)
- Hyper-V:仮想マシンを標準機能で動かす場合
- グループポリシー(gpedit):Windowsの細かい動作を一括制御する場合
これらとBitLockerのどれも使わないなら、Homeで問題ありません。一般的なノートPCの範囲では性能差はなく、違うのは機能だけです。
なお、いまはメモリ高騰でPC本体の実売価格が大きく動いています。買い替え時期の判断材料は「メモリ価格が1年で5〜6倍に。ノートPCは今買うべきか、待つべきか」を、Windows 11への移行自体の進め方は「Windows11に移行できないPCの対処法と買い替えガイド」をご覧ください。
よくある質問
Windows 11 HomeでBitLockerは使えますか?
新しくドライブを暗号化することはできません。既に暗号化済みのドライブを解錠して開くことは可能です。この非対称が「Homeでも使える」という誤解のもとになっています。
外付けHDDやUSBメモリを暗号化したいのですが、Homeでできますか?
できません。Proが必要です(BitLocker To Go)。Homeの「デバイスの暗号化」はOSドライブと内蔵固定ドライブのみが対象で、外部/USBドライブは暗号化されないことをMicrosoftが公式に明記しています。
後からProにアップグレードできますか?
できますが、Microsoft Storeのフルライセンスで28,380円かかります(2026年7月時点)。メーカーのBTOで最初からProを選べば1万円前後なので、必要になる可能性があるなら最初に選ぶ方が安上がりです。
ProにするとPCは速くなりますか?
変わりません。一般的なノートPCの範囲では、HomeとProの違いは機能(BitLocker・リモートデスクトップホスト・Hyper-V・グループポリシー等)であって、処理性能は同じです。
まとめ
Windows 11のHomeとProの選択は、「外付けドライブを暗号化するか」の1点でほぼ決まります。する(可能性がある)ならPro——買うときにBTOで選べば1万円前後、後からだと28,380円。しない、かつリモートデスクトップホスト・Hyper-V・グループポリシーも使わないなら、Homeで困ることはまずありません。最後にひとつだけ:Pro化オプションが無い機種・Home/Proが別商品の機種が実在するので、買うその商品ページの構成画面で必ず確認してください。
BitLockerのエディション要件・デバイス暗号化の対象範囲はMicrosoft Learn公式ドキュメントに基づきます。Pro化費用は2026年7月17日時点で筆者が各社の構成画面・直販ページを実際に確認した値で、変動します。
