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そのノートPC、メモリ増設できますか?買う前の調べ方【仕様表だけでは分からない実例つき】

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そのノートPC、メモリ増設できますか?買う前の調べ方【仕様表だけでは分からない実例つき】
この記事でわかること
  • 「仕様表の最大◯GB」を信じると失敗する理由(実例つき)
  • 半田付け(オンボード)で増設できない機種の見分け方
  • 買う前にメモリ増設可否を確実に調べる4つの手順

「メモリは後から増やせばいい」——そう思ってノートPCを買うと、増やせないことがあります。しかも困ったことに、メーカーの仕様表を読んでも判断できないケースがあるのです。

結論から言うと、頼りになるのは仕様表ではなく「実際の注文画面」と「型番別スペックシート」です。

この記事は、2026年7月に筆者が業務PCの買い替えでBTO・メーカー直販各社の仕様表と注文画面を実際に突き合わせて確認した結果をもとに、買う前の調べ方を手順化したものです。一般論の「確認しましょう」ではなく、実際に踏んだ落とし穴から書きます。

※機種名・仕様の記載は2026年7月17日時点の各社公式ページ・公式スペックシートの実取得値です。仕様・取扱状況は変わるため、購入時は必ず最新の公式情報をご確認ください。

結論:仕様表ではなく「注文画面」を見る

まず、いちばん意外だった事実からです。仕様表に書いてある「最大搭載可能容量」の構成が、実際には注文できないことがあります。

筆者が確認した実例です。

  • あるBTOメーカーの機種は、仕様表に「最大64GB(32GB×2)」の記載と、64GB構成が選択可能という趣旨の記載がありましたが、実際の注文画面6つをすべて確認しても、64GBの選択肢はどこにも存在しませんでした。「64GB・クリエイター向け」といった記述は、選べるオプションではなくマーケティング上の文言でした。
  • 別の大手BTOメーカーの機種も、仕様表は「最大64GB(32GB×2)」なのに、構成カスタマイズ画面の実際の選択肢は8/16/32GBのみでした。

「仕様表の最大◯GB」は、あくまでその機種のハードウェアが対応しうる上限であって、「その構成で買える」「メーカーが動作検証して売っている」という意味ではありません。買う前に必ず、実際のBTOカスタマイズ画面(注文画面)でその容量が選べるかを確認してください。

半田付け(オンボード)のメモリは、そもそも増設できない

もうひとつの落とし穴が、メモリが基板に直付け(オンボード実装)されている機種です。この場合、後からの増設・交換は物理的にできません

見分け方は2つ

  1. メモリ規格名を見る:規格名が「LPDDR」で始まる(LPDDR5、LPDDR5Xなど)=ほぼ基板直付けです。「SO-DIMM」表記があればソケット式(交換可能な差し込みモジュール)です。
  2. 「メモリスロット数」欄の有無を見る:スロット数・空きスロット数の欄が仕様表にない機種は、オンボードの可能性を疑ってください。

公式仕様で確認できた実例です。

  • あるゲーミングノートは仕様表に「0 (空き×0) / 最大32GB(オンボード 32GB) ※オンボードメモリ増設不可」と明記——このように正直に書いてくれている機種はむしろ親切です。
  • ASUS ROG Zephyrus G14(GU405)は「32GB LPDDR5X-8533」でSO-DIMM表記なし・スロット欄なし=オンボードです。
  • HP OmniBook 5 16-af は、公式スペックPDFに「本製品のメモリスロットはユーザーがアクセスできるタイプではありません。本製品のメモリは増設・交換できません」と明記されています。

同じ機種名でもソケット式とオンボードが混在する

さらにやっかいな例があります。HP ZBook 8 G2i 16 は、Core Ultra 5/7搭載版はSO-DIMMスロット×2(増設可)ですが、同じ機種名のCore Ultra X9 388H搭載版だけはLPDDR5Xオンボード(増設不可)です。

「この機種は増設できる」と機種名で覚えるのは危険です。判断は必ず「型番単位」で行ってください。

買う前に調べる手順【実用パート】

以上を踏まえた、確実性の高い順の調べ方です。

手順1:メーカー公式の「型番別スペックシートPDF」を探す

Webの仕様表より詳しいことがあります。実例として、ASUS ExpertBook P3(PM3406CKA)はWeb仕様表にもストアページにもスロット数の記載がありませんが、型番別スペックシートPDFには、32GB版(LY0326X)の列に「SODIMMスロット×2 (空き×1)」と明記されています(64GB標準のLY0502Xは空き×0——同じ機種でも型番で違います)。

⚠️ 注意:複数の型番が並ぶ比較表は、行を目で追うと隣の型番の値を拾いやすいです。自分の型番の列を指で押さえて読んでください。

手順2:エレコムの対応メモリ検索を引く

メーカー第三者ですが、実機検証ベースで型番完全一致の検索ができるエレコムの対応メモリ検索が有用です。「標準搭載メモリ容量/最大搭載メモリ容量/スロット総数/スロット空き数」まで明示されます。ただし収録されていない機種もあります(BTOメーカーの独自モデルは該当なしの場合があります)。

手順3:BTOの注文画面で「大容量構成が選べるか」を見る

その容量がBTOで選べる=メーカーがその構成を検証して販売しているという間接証拠になります。逆に仕様表に書いてあっても選べないなら、冒頭の実例のように疑ってかかるべきです。

手順4:CPUの上限とメーカーの検証上限を混同しない

たとえばCore i5-13420HはIntel公式仕様では最大96GBまで対応しますが、同CPU搭載機のBTOの最大構成は64GBでした。CPUが対応していても、そのPCで動作保証されるとは限りません。判断の基準はあくまでメーカー側の仕様・提供構成です。

補足:価格比較サイトのスペック表は空欄に注意

価格比較サイトのスペック表は、機種によっては「メモリスロット(空き)」欄が空欄だったり、「メモリ最大容量」欄自体が存在しないことがあります(実際にASUSの機種のページで確認)。空欄=増設不可ではなく、単なる未入力の場合があるので、必ずメーカー公式で裏を取ってください。

今の市況では「後から増設」自体が得とは限らない

最後に、2026年7月時点の市況特有の注意です。メモリ価格の高騰(1年で5〜6倍)により、「安い構成で買って後から増設」の経済合理性が崩れています

  • あるBTOメーカーでは、BTOの64GB化オプション(+153,000円)が、同じ店で売っている増設用メモリキット(153,980円)より980円安い(しかも組込・保証付き)という逆転が起きています(2026年7月17日時点)。
  • つまり自分で後から増設しても、部品代だけでBTO増設オプションと同額以上かかる状況です。

増設の余地を残す買い方より、最初から必要容量を積んだ構成を選ぶ方が合理的なケースが増えています。高騰の背景と「今買うか待つか」の判断材料は「メモリ価格が1年で5〜6倍に。ノートPCは今買うべきか、待つべきか」に、そもそも何GB必要かの実測は「AIエージェントを使うノートPCのメモリは何GB必要か」にまとめています。価格表示・見積もり側の落とし穴は「BTOノートPCの価格表示で気をつける6つのこと」をどうぞ。

よくある質問

仕様表に「最大64GB」とあれば、64GBにできますか?

できないことがあります。仕様表に「最大64GB」と記載がありながら、実際の注文画面には64GBの選択肢が存在しない機種を複数確認しています。「仕様表の最大値」はハードウェアの対応上限であって、その構成で買える・検証済みという意味ではありません。注文画面(BTOカスタマイズ画面)で確認してください。

オンボードメモリ(増設不可)かどうかは、どこで分かりますか?

2点を見てください。①メモリ規格名が「LPDDR」で始まる場合はほぼ基板直付け(増設不可)、「SO-DIMM」表記があればソケット式です。②仕様表に「メモリスロット数」「空きスロット」欄が無い場合はオンボードを疑い、型番別スペックシートPDFやメーカーサポートで確認してください。

同じ機種名なら、どの型番でも増設可否は同じですか?

違うことがあります。同一機種名でも、搭載CPUによってSO-DIMMスロット式とLPDDR5Xオンボードが分かれる実例(HP ZBook 8 G2i 16)を確認しています。判断は機種名ではなく型番単位で行ってください。

今は増設用メモリを後から買う方が安いですか?

2026年7月時点では、そうとは限りません。メモリ高騰により、BTOの増設オプションが市販キット単体より安い逆転例も確認しています。最初から必要容量を積んだ構成で買う方が合理的なケースが増えています。

まとめ

ノートPCのメモリ増設可否は、仕様表だけでは分かりません。①実際の注文画面でその容量が選べるか、②規格名がLPDDRかSO-DIMMか、③型番別スペックシートのスロット記載、の3点で型番単位に確認するのが確実です。そして2026年7月現在の高騰市況では、「後から増設」前提の買い方自体の合理性が崩れています。最初から必要容量を、実際の注文画面で確認して選ぶ——これがいちばん失敗のない買い方です。

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本記事の機種例・仕様の記載は2026年7月17日時点の各社公式ページ・公式スペックシートの実取得値に基づきます。調べ方の手順は機種が変わっても有効ですが、個別機種の仕様は必ず最新の公式情報で確認してください。

監修者

江田健二のプロフィール画像

江田 健二(RAUL株式会社 代表取締役)

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュアにてエネルギー・IT分野のコンサルティングに従事。2005年にRAUL株式会社を設立し、企業のシステム開発支援からWebマーケティング戦略まで幅広い領域を支援してきた。

IT・デジタルテクノロジーおよびエネルギー業界・電力ビジネスに精通し、デジタルと社会インフラの接点を捉えた情報発信を行っている。

光回線、VPN、PC、格安SIM、電力系のメディアを複数運営。Yahoo!ニュース公式コメンテーターやテレビ・ウェブメディアでも幅広く発信中。

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