この記事を読むと分かること
- HP ZBookのスペック・価格・評判
- HP ZBookは、他のノートパソコンと比較してどのような優位性・弱点があるのか?
- HP ZBookはどんな人におすすめのノートパソコンなのか?
HP ZBookは、ヒューレットパッカードが販売している高性能モバイルワークステーションモデルで、CG・VR制作から、3DCAD、BIM、8K動画の編集までパソコンに大きな負荷のかかる作業も快適に行うことができます。予算が許すのであれば、あらゆる製作者や開発者におすすめしたいノートパソコンです。
以下では、HP ZBookの詳細なレビューを紹介しているので、購入を考えている方はぜひ検討材料にしてくださいね。
HP ZBookってどんなパソコン?(スペック・価格)
HPのモバイルワークステーション
特徴
- Intel第12世代高性能CPUを搭載
- グラフィックボードには開発者向けのNVIDIA RTXシリーズを採用
- BIM、3DCAD、VR、8K動画編集などあらゆる用途に対応
HP ZBookは、CPUにCore i7-12800H、グラフィックボードには開発者向けのNVIDIA RTX(Mobile)シリーズを備えた超ハイスペックノートパソコンで、CGクリエイターや4K・8K動画編集者、3DCADオペレーターなどにおすすめのモデルです。また、高性能ノートパソコンの中では、比較的バッテリー駆動時間が長く、軽量なため出張先や営業先など出先でパソコンを使うことが多いという方にもおすすめです。
スペック例 | パフォーマンスモデル | ハイパフォーマンスモデル |
商品名 | ZBook Studio | ZBook Studio |
参考価格(税込み) | 696,300円 | 819,500円 |
OS | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro |
CPU | Core i7-12800H | Core i7-12800H |
バッテリー駆動時間 | 約 12.8時間 | 約 12.8時間 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A2000(Mobile) | NVIDIA RTX A3000(Mobile) |
メモリー | 32GB (デュアルチャネル) | 32GB (デュアルチャネル) |
システムストレージ | 1TB M.2 SSD(NVMe) | 1TB M.2 SSD(NVMe) |
ディスプレイ | 16.0型 液晶パネル | 16.0型 液晶パネル |
WEBカメラ | 92万画素 | 92万画素 |
質量 | 約 1.90kg | 約 1.90kg |
HP ZBook 性能の確認と比較
CPU性能の確認
以下の表は、HP ZBookに搭載されている「Core i7-12800H」と他の人気・売れ筋モデルに搭載されているCPUとの性能比較です。
※1. ベンチマーク値は単純に数値が高ければ高いほど高性能であることを表しています。
※2. 型番をクリックすると各CPUの詳細スペックを確認できます。
※3. 用途アイコンにマウスを合わせる、または、タッチすると用途アイコンの説明を確認できます。
2023最新 | CPU性能(ベンチマーク) | おすすめの用途 |
Core i9-12900H | 28,784 | 3D4K2CVDDSOF |
Core i7-12800H | 24,597(当モデル) | 3D4K2CVDDSOF |
Core i7-12700H | 26,796 | 3D4K2CVDDSOF |
Core i7-1260P | 17,085 | 4K2CVDDSOF |
Core i7-11800H | 21,064 | 3D4K2CVDDSOF |
Core i7-1165G7 | 10,460 | VDDSOF |
Core i5-12600H | 22,704 | VRCa動デOf |
Core i5-12500H | 21,862 | VRCa動デOf |
Core i5-1240P | 17,401 | 4K2CVDDSOF |
Core i5-11400H | 15,947 | 4K2CVDDSOF |
Core i5-1135G7 | 10,014 | VDDSOF |
Core i3-1215U | 11,664 | VDDSOF |
Celeron N4100 | 2,435 | Of |
HP ZBookに搭載されている「Core i7-12800H」はインテルのノートパソコン向けCPUの中でも上位のグレードのCPUで性能面もトップクラスのモデルです。
また、第12世代CPUでは大きなモデルチェンジがあり、第11世代以前と比べてコア構成が大きく変わっています。第11世代以前までは、同性能のコアを複数のせることでCPU設計を行っていましたが、第12世代以降では省電力で効率性を重視した「Eコア」とパフォーマンスを重視した「Pコア」を適切に配分することで、より省電力化に優れたCPU設計を行っている点も大きな特徴です。
グラフィックボード性能の確認
以下の表は、HP ZBookに搭載されている「NVIDIA RTX A3000(下位モデルは、NVIDIA RTX A2000)」と他の人気・売れ筋モデルに搭載されているグラフィックボードとの性能比較です。
※1. ベンチマーク値は単純に数値が高ければ高いほど高性能であることを表しています。
※2. 型番をクリックすると各CPUの詳細スペックを確認できます。
※3. 用途アイコンにマウスを合わせる、または、タッチすると用途アイコンの説明を確認できます。
グラフィックス性能 | おすすめの用途 | |
GeForce RTX3080Ti | 20,421 | 3D4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3080 | 16,681 | 3D4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3070Ti | 18,413 | 3D4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3070 | 15,473 | 3D4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3060 | 13,183 | 3D4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3050Ti | 9,983 | 4K2CVDDSOF |
GeForce RTX3050 | 9,251 | 4K2CVDDSOF |
GeForce GTX1650 | 6,969 | 2CVDDSOF |
GeForce GTX1060 | 8,161 | 4K2CVDDSOF |
NVIDIA RTX A3000 | 12,704(上位モデル) | 3D4K2CVDDSOF |
NVIDIA RTX A2000 | 10,156(下位モデル) | 4K2CVDDSOF |
Intel Iris Xe Graphics | 2,709 | VDDSOF |
Intel UHD Graphics | 1,495 | OF |
「NVIDIA RTX A3000(下位モデルは、NVIDIA RTX A2000)」は、ベンチマーク値が12,704(10,156)で、GeForce RTX3080などと比べるとベンチマーク値が劣るため、性能が低いように見えますが、実はそうではありません。むしろ、製作者や開発者にとっては圧倒的に「NVIDIA RTX A3000(下位モデルは、NVIDIA RTX A2000)」の方が優れた処理能力を持っています。
※グラフィックボードのベンチマーク算出において、ゲーミング性能などの要素が含まれているため、「NVIDIA RTX」シリーズよりも、ゲーミング用途に最適化された「GeForce RTX」シリーズの方がベンチマーク値が高くなります。しかし、開発用途だけでみると、「NVIDIA RTX」シリーズが最も最適化されており非常に優れた性能を発揮します。その分、「NVIDIA RTX」シリーズの方が価格もより高価になります。
用途別推奨ベンチマークスコア
- 12,000~ VR・CG制作、3D動画編集、機械学習(AI)、マイニング等
- 10,000~ 4K動画編集、エンコード等
- 5,000~ 2DCAD(AutoCAD、JWCAD)等
- 2,000~ 動画編集、エンコード(Adobe PremirePro)、デザイン(Adobe Photoshop、Illustrator)等
- ~2,000 office(Excel、Word)等
メモリ・ストレージ性能の確認
HP ZBookでは、標準構成でメインメモリ(RAM)に32GBのメモリ、ストレージには1TBのNVMe規格のSSDを搭載しています。
以下は、HP ZBookに搭載されているメモリの規格です。転送速度に関しては、上位の規格で、動画の書き出し(エンコード)作業なども比較的にスムーズに行えます。
規格 | 転送速度(GB/s) |
DDR5-5000 | 40.0 |
DDR5-4800 | 38.4(当モデル) |
DDR5-4000 | 32.0 |
DDR4-4266 | 34.1 |
DDR4-3600 | 28.8 |
DDR4-3200 | 25.6 |
DDR4-2666 | 21.3 |
DDR4-2400 | 19.2 |
DDR4-2133 | 17 |
DDR4-1866 | 14.9 |
DDR4-1600 | 12.8 |
また、ストレージについては、SSDに最適化されたNVMeという規格のSSDを採用しており、データの読み込み・書き出しが高速に行えるという特徴があります。
ディスプレイの確認
HP ZBookには、「WUXGA:1920×1200(アスペクト比16:10)」液晶を採用しています。従来のアスペクト比16:9の液晶と比べて、16:10のアスペクト比の液晶は、画面を縦に広く使えるため、デザインや設計といった業務に最適です。
以下は、ディスプレイの詳細性能です。
- 映像美
- 4
- 応答速度
- 3
- コントラスト
- 4
- 視野角
- 4
- フリッカー
- 4
解像度が高いだけあって応答速度は一般的な性能(60Hz程度)で、高リフレッシュレートが求められるようなゲームには向きませんが、映像が鮮明に確認できるのでデザインやCG、高解像度動画の制作といった用途におすすめの液晶です。また、綺麗な映像が見れるので、映画鑑賞やロールプレイングゲームなどのエンターテインメント向けの用途での使用にもおすすめです。
スピーカー性能の確認
HP ZBookは、高級オーディオメーカーのBang and Olufsenがカスタムチューニングを施したスピーカーを採用しており、ユーザーが意図した音を正確に表現することができます。そのため、オーディオエンジニアのような方にもおすすめできるモデルです。
持ち運び性能(バッテリー駆動時間・重量)の確認
HP ZBookは、重量が約1.90kgと高性能ノートパソコンの中では比較的に重量が軽いモデルです。また、バッテリー駆動時間についても、約12.8時間と長い点が特徴です。以下は、実際にPCを稼働させている状態でバッテリー駆動時間を計測した値です。音楽再生や動画再生をしてもある程度の時間使えるので、打ち合わせでPCを持ち運ぶ必要があったり、外出先での仕事が多いというような開発者には特におすすめです。
公表値 | 約12時間48分 |
音楽再生 | 9時間15分 |
動画編集 | 4時間25分 |
※1. 音楽再生はMedia Playerでmp3ファイルを再生。
※2. 動画編集はpremire proでHD動画を再生。
そのため、他の軽量のモバイルノートパソコンなどと比べると、持ち運びには不向きなモデルだといえます。
接続規格の確認
接続規格には、以下の規格が備わっています。
- Thunderbolt4(Type-C)端子 × 2
- USB Type-C(3.0規格)× 1
- HDMI端子 × 1
- USB Type-A(3.0規格)× 1
- micro SDカードスロット × 1
- ヘッドホン出力/マイク入力端子 × 1
- セキュリティスロット
Type-CのThunderbolt4規格が2つ備わっているので、大画面への出力なども快適に行うことができます。
BTOカスタマイズについて
メモリやストレージについてのHP ENVY 16のBTOカスタマイズはなく、用途に合わせてモデルを選択するという形になります。
例えば、ストレージ容量などの性能を少し抑えて出費を抑えたいという方はパフォーマンスモデル、高くても良いから最高のスペックにしたいという方はクリエイターモデルというように、希望に合わせてモデルを選択するという形になります。
ゲーム性能について
ゲーミングパソコンの性能を図る2つの指標
一般的に、ゲーミングパソコンの性能を図る指標として、フレームレートとリフレッシュレートという2つの指標を使います。
ゲーミングパソコンの性能を図る2つの指標
- フレームレート(fps):グラフィックボード(GPU)性能に依存
- リフレッシュレート:ディスプレイ性能に依存
フレームレート(fps:frame per second)とは、「1秒間あたりに表示される画像(フレーム)数を表す単位」のことで、その能力は主にグラフィックボード(GPU)の性能に依存します。このフレームレート(fps)の数値が高ければ高いほど1秒間に表示できるフレームの数が多くなり、より滑らかな映像表現が可能になります。そのため、特に、eスポーツなどの分野では、フレームレート(fps)が高いほど相手の行動を正確に把握できたり、操作の遅延(レイテンシ)が少なくなるので、フレームレート(fps)の数値が重要視されます。
リフレッシュレートとは、「液晶が1秒間の間に画像を何回描画できるかを表す数値」で、ディスプレイの性能に依存します。リフレッシュレートが高いほどよりスムーズに映像などのグラフィックを映し出すことができます。
つまり、高フレームレートに対応するためには、液晶も高リフレッシュレートの液晶を使う必要があるということです。
HP ZBookのゲーム性能
HP ZBookに搭載されている「NVIDIA RTX」シリーズは、そもそも開発者向けに最適化された高性能グラフィックボードです。そのため、「GeForce RTX30」シリーズや「GeForce RTX40」シリーズと比べるとゲーミング性能は劣ります。
しかし、「NVIDIA RTX」シリーズ自体は非常に優れた映像処理能力を持っているため、NVIDIAが提供しているドライバを切り替えればほとんどのゲームにおいて十分な性能を発揮させることができます。
グラフィックボードメーカーのNVIDIAには、用途に応じた2つのドライバが用意されています。
NVIDIAのドライバ
- GeForce Game Ready Driver(ゲームに最適化)
- NVIDIA Studio Driver(製作・開発系のアプリに最適化)
また、この2つのドライバは、「GeForce Experience」を利用することで簡単に切り替えることができます。
外付けディスプレイがおすすめ
HP ZBookの液晶のリフレッシュレートは60Hzです。eスポーツなどの用途で利用する場合は、少し物足りない値です。eスポーツなどの用途で利用したい場合は、高リフレッシュレートの外付けディスプレイを使用するのがおすすめです。
HP ENVY 16 口コミ・評判
HP ZBookについての口コミ・評判は見つかりませんでした。
そのため、評判を知りという方は、この記事のレビューを参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、HP ZBookについてスペックから価格、口コミ等について紹介してきました。
HP ZBookは、製作・開発・設計者向けの高性能モバイルワークステーションの位置づけで、以下のような方に特におすすめのモデルです。
HP ZBookはこんな方におすすめ
- CGデザイナー
- VR開発者
- 4K・8K動画制作者
- 3DCADオペレーター
- オーディオエンジニア
- その他高性能なノートパソコンを探しているユーザー
用途・目的別のおすすめノートパソコンの紹介
用途や目的にあったおすすめのノートパソコンや選び方のポイントを知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。
Q&A
BTOパソコンとは?
BTOとは、「Build To Order」の略称で、受注生産方式のをパソコンを意味しています。BTOでは、CPUやグラフィックボードの変更、メモリの増設などのニーズに応じたカスタマイズが可能で、現在多くのPCメーカーがこのBTO方式を採用しています。
モバイルワークステーションとは?
高解像度動画の編集やCAD図面の設計、CG制作、科学技術計算など、高度な演算能力・画像処理能力が要求される処理を行うための高性能な装置を搭載したノートPCのこと。高性能なCPUだけでなく、画像処理などの演算を行う高性能なGPU(グラフィックボード)が搭載されている点が特徴です。
PassMarkとは?
PassMarkとは、オーストラリアのPassMark Software社が提供するベンチマークを測定するためのソフトウェア及びサービスです。
ベンチマークの算出方法は?
CPU性能に関わる以下の項目のテスト結果を平均して算出しています。
- 整数の演算処理速度を図るテスト
- 並列データ圧縮速度を図るテスト
- 1秒間にいくつの素数を見つけることができるかを図るテスト
- 暗号化の処理速度を図るテスト
- 浮動小数点数の演算処理速度を図る速度
- 拡張命令によりどのくらい演算処理速度を改善しているかを図るテスト
- ソートアルゴリズムによりCPUが文字列をソートするのにかかる時間を図るテスト
- CPUが物理的な相互作用にかかる時間を図るテスト
- ひとつのCPUコアのみの処理速度を図るテスト
- 整数、浮動小数点、素数、ソートについてのテストスコアの複合平均値
GeForce Experienceとは?
GeForce Experienceと、NVIDIAが提供するGeForceユーザー向けのゲーム管理・設定ソフトです。
GeForce Experienceを使うと、ゲームの最適化や、映像の調整、ビデオの撮影・配信、フレームレートの計測などの様々な機能を簡単に使うことができます。。